あの後、お父さんは明日の仕込みがあるからと本店に帰っていった。 残されたあたし達二人。 これからお店を一緒にしていく仲間だし、仲良くしないとね。 そう思って桐島さんに笑顔で話しかけた。 「あの、桐島さんって父とパリで出会われたんですよね?パリでの留学ってどうでしたか?」 当然返ってくる言葉は優しいものだとばかり思ってた。 「は?なんでお前にそんな事教えなきゃいけないの?」 だけど返ってきたのは、さっきまでとは違う冷たい目とバカにしたような声。