「藤原さん、もう上がっていいぞ」

「え、でも」

「今日はずっと仕事してただろう、早く帰んなさい」

「まだちょっと仕事あるので、それが終わったら帰りますね」

「はいはい、登坂くんもずっとしてたから、早く帰んなさい」

「え、ありがとうございます!夕星先輩!帰りますよ~!」

私のバッグを掴んで

ホワイトボードに向かってしまった

「登坂さん!ちょっと…!」

「お疲れ様です、夕星さん」

「お疲れ様…」

登坂さんのせいでもう帰ることになったじゃない

まだ帰りたくないんだけど…

「ねぇ、登坂さん」

「どこ食べに行きます?」

「バッグ返して」

「あ、はい!」

「じゃ、」

私はすぐ帰ろうとした

帰りたくないけど、帰るしか…

「お店!入りましょうよ」

登坂さんは私の手首を掴んで

引っ張った

「まぁいいけど…」

「ここにしましょ!」

そこは、まさに居酒屋

雰囲気が苦手で一人で入ったことがない