いつも、そばに居てくれた。
泣いている時は笑わせてくれたし、
困っている時は助けてくれた。
私はそんな逸希が、大好きだった。

「うぇぇえん…!」
涙が、止まんないよ。
どうしてみんな、私に意地悪するの?
寒いよ、この部屋。
暗いし、お化けが出そう。
助けて。
助けて…

私は小学2年生の時に、いじめにあっていた。
辛くて辛くてたまらなかったけど、
両親はいつも仕事で忙しかったから誰にもその事を言えずにいた。

ガチャ

キィ…

旧校舎の倉庫の古びた扉が開く音がする。
「!」
一つの人影。
うずくまっていた私は、ゆっくりとその人影に目を向ける。
「助けに来たぞ!」
「い、逸希君…!」
そう。
これが、全ての始まり。
私の初恋。