拒絶された後の憂さ晴らし

部署に戻って、仕事中でもお構い無しに速攻でアノ子に問い詰める。


「あのさ…総務課に居た眼鏡君って名前分かる?」


書類のやり取りをしている振りをしてのコソコソ話。


「知ってますよ!知りたいですか?」


「名前が思い出せなくて困ってるの。教えてっ」


アノ子が知っている名前をしれっとした態度でメモ用紙に書き出した。


「はい、この名前を見ても驚かないで下さいね。ちなみに私は二人の事を応援したいと思っています」


コソコソとメモ用紙を渡され、私の耳元付近でそんな事を言われた。


───気付いてしまった。


話の流れ的に罠に落ちたのは私だったんだ。


ずっと前からアノ子と眼鏡君は知り合いで、アノ子は眼鏡君の秘密を握っていた。


眼鏡君は知られたくなかったのに知られてしまい、アノ子が会う度にニヤリと笑って
秘密を握っている素振りを見せていたから赤面してしまっていたのだろう。


本人に確かめたい。


確かめた上で謝罪したい。