拒絶された後の憂さ晴らし

「モモさん、髪型戻したんですね。可愛いですっ」


「気分転換にね…。ほら、元カレの件もあったでしょ?」


昨日の夕方、仕事を定時に切り上げて予約しないで入れる美容室へと向かい、昔みたいなふわふわウェーブに戻した。


周りからも評判は良く、アノ子も気に入ってくれた。


「今更だから言いますけど…先輩が元カレと別れて良かったと思ってます。先輩がボロボロになって、仕事に打ち込んでるのを見てて辛かったですもん!」


「……バレバレだった?」


「バレバレでしたよ!今度こそ、上手く行くと良いですよね」


「え?」


「添野さんなら一途だから大丈夫ですよ。だって、6年越しの片思いですからね」


「ん?」


「………今のは聞かなかった事にして下さいね。では、外回り行って来ます」


「あっ、はい…」


………………?


アノ子の言っている意味がよく分からない。


6年越しの片思い?


アノ子は朝から外回りの仕事があり、午後にならないと戻らないから今は聞けない。


気になるのに状況が分からない。


モヤモヤしたままデスクワークをこなし、お昼休憩の時間になった。


昼食を済ませ、喫煙所に向かうと中から添野が出てきた。