かなたとヒロトの思いを知った空月とはるかは、もう村を去ろうとはしなかった。

たとえ空月とはるかが村を去っても、かなたとヒロトが結ばれることはないと悟ったからだ。

運命を受け入れた四人は、それぞれ寄り添うように生活をした。

空月とヒロトが狩りに行き、かなたが家事をする。狼の姿のはるかにできることは限られていたが、ヒロトが家にいるときには必ず傍らにはるかがいた。

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空月とヒロトが狩りに出かけ、はるかが午睡をとっているある日のことだった。

かなたは、両親の部屋に行き、二人が残した書籍や文書の整理をしていた。

「これは,,,」

そのとき、かなたは1冊の古びた本のようなものを見つけた。

そこには、なんと狼になった人狼を人形に戻す方法が記されていた。