なんかみんなテンション高いなー。
 それもそのはず。合コンの会場はカラオケなんだから。ま、高校生のお金的には此処が一番だよねぇ~。

「はーい、じゃあ幹事の私から自己紹介しまーす!」

 そう言って手をあげた幹事の子からスタート。
 私名前覚えられないんだよね、うん。だから聞き流しまーす。

「ほら、次葵の番だよ!」

「あ、そっかもう私かー」

 ぼーっとしてたら私の番が来ていた。危ない危ない。

「はい、鐘崎葵でーす。お金の金ではなく除夜の鐘の鐘でーす」

「除夜の鐘とか草しか生えないんだけど!」

「めっちゃツボだわ!」

 あ、よかった笑ってくれたわ。
 そのあと向かいにいる男子六人も自己紹介をして席替え。なんかあんまり目立たない人がいーなーとか思ったんだけど……。それはフラグだった。

「ご指名ありがとうございまーす! 准弥(じゅんや)ですっ!」

「ご指名はしてないけど来てくれてありがとうございまーす! 葵でーす」

 一番来てほしくなかった……。
 いや、皆髪を金髪にしてたりとかあるけどね!? でもコミュ力高いだろお前ッ!

「はい、これ食べて~!」

「ありがと! 准弥も食べてね~」

「じゃあ、遠慮なくッ!」

 ピザを容赦なく口の中に突っ込んでいく。食欲あるなぁー。

「やっぱり育ち盛りなんだね~」

「んー、まぁ喧嘩すんのにも走るのにも体力いるからなぁ」

「大変だね~」

 そういえばこの人たち全員暴走族何だった……。え、そういう話題って出した方が良いのかな。出さない方が良いのかな。

「ところで葵ちゃんって合コン初めてなのに俺の扱い手慣れてない~?」

「気のせいだよ~!」

 まぁ、会話続いてるしいっか。楽しくお喋りしてようっと。
 カラオケでのそんな些細な一つの間違いが私を救うのだった。