セガワミヤビとオレ
碧翔side


土曜日の朝、客が来たから挨拶しろと言われ客を見た。
誰だこの女?みたことねーなー。
また婚約者とか?そんな話?
そんなんだったら出かけて逃げようかなー。
俺は伊丹グループの跡継ぎ、いわゆる御曹司ってやつ。そのため厳しく育てられてきた。もちろん大学では経営学を学んで会社を手伝いながら跡を継ぐ予定らしい。

あ、挨拶しなきゃ

「おはようございます、伊丹碧翔です。」
この女何歳だ?

なんかよくわからないオーラがあるっていうか。なんか気になる。髪が長くて大人っぽくて。目が大きくて見つめられれば吸い込まれそう。鼻が高くマドンナって感じで結構美人。同世代じゃいない大人っぽい感じ。身長は
大人っぽいくせにこいつ155か6じゃないか?
なんかかわいい。


父さんが俺の話もしつつって感じで瀬川さんとずっと話してる。
俺は今部屋。
そして

コンコン

「碧翔、ちょっと来なさい。洋介と雅ちゃんのことで大事な話がある。」

とりあえずいくか。

「悪いな、碧翔。せっかくの土曜なのに。」
「いえ、大丈夫です。」

正直だるいけどこの女気になるしいっか。


「テッチャン、この前の話なんだが…」

「あぁ。京香と話したよ。京香は全然賛成らしい。もちろん俺もいいんだが雅ちゃん次第だ。」


何話してんだ?何にもわからない。聞いてなかった。


「転勤はいつぐらいまでになるんだ?」

父さんがそう聞く。


「正式にいつまでとかは分からないが、雅が大学卒業する時ぐらいまであっちにいると思うんだ。」


「え、お父さん、そんなに長くいるの?」
雅という女が寂しそうに聞く。
「会社の命令だからな。」

瀬川さんが答えた。


「せめて、高校卒業するまでは見てもらいたいんだが…」

悲しそうな顔をする瀬川さんに母さんがこういう。


「洋くん!何言ってるの!!当たり前じゃない、ウチがしっかり責任もって雅ちゃんといるから~!このまま家の嫁になってもいいのよ!」

「さすがにそれは困ります!!」


とすこし慌てていう雅。めんこい。

「うちは全然雅ちゃんが大学に行くとなっても面倒みるし洋介の転勤が終わるまで家で過ごしたって構わない。」

え?こいつうちで暮らすの?


「今の学校はどうするんだ?」
「今の学校はここからでも遠くはないんだが不便だったら転校してもいいんじゃないか?」
「今どこに通ってるんだ?」
父さんがそう聞くと。

そして雅は言う。
「川崎茗渓学園です。」

茗溪学園って結構レベル高いよな?
何気すごいんだな。

「茗溪学園だったら遠いいじゃない!」
よくでしゃばる母、京香。

確かに少し遠い。
結構早く起きなきゃ始発に乗り遅れる。

「転校するか?雅の気持ち次第だよ」
優しく見守るような瞳で瀬川さんは雅を見つめる。

「私、転校します。今の学校にここから通ってたら朝早くて皆さまにご迷惑おかけしてしまうので転校します。」

まじか、同じ学校になるのか?

まーそうなるだろう。

「じゃあ、決定ねっっ!部屋を案内するわ!
鈴と2人で頑張ったのよ!!」
笑顔で母さんは言う。

これからどうなるんだろう。
どうやら俺はこの瀬川雅と暮らすらしい。
どんな女なのかすげぇ気になる。