「お前が探してる生徒手帳は、これだろ?」 そう言って、王子は胸ポケットからスッと手帳を出す。 「あっ!これ私のです!拾ってくれてたんですね?ありがとうございます!」 「この場所にあんたの物があったら邪魔だからな。」 フンッと王子はそっぽを向いたけど、その言い方はどこか優しかった。 なんだ、この人意外に良い人そうじゃん。 「本当にありがとう!あと心配なさらなくても大丈夫です!もうここには来ませんし、誰にも言わないですから!」 私はそう言って、今度こそ部屋を出ようと扉に手をかけた。