「はぁ!?いきなりなんですか?!そんな訳無いじゃないですか!」


心を見抜かれて必死に弁解するも…急に言われるから顔が…熱い。



「分かりやすいな、あんた…」


くくく…と笑う王子は、どことなく先生に似てる気もする。


「笑いすぎです!!やめてください!」


だいたい何で私はこんな有名人におちょくられなきゃいけないわけ!?


いま置かれている状況が理解できなくなってきた。


「ふぅーん…弘人兄ちゃんがねぇ。」

ボソッと話した声は私には届かない。


ちょっと。なんて言ったのよ…

「まぁいいや。あんたが弘人兄ちゃんを好きな事は黙っておいてやるよ。だからこの部屋に俺がいることも黙っておけよ。分かったかチビっ子。」



「な…!?言いませんよ!!なによチビって!それに私は好きな訳じゃ…あぁもう!言いませんよ誰にも!!王子って言うだけあって、もっと紳士的な人かと思ってたけど、全然真逆じゃないっ!」


「はぁ!そんなの勝手なイメージだろ」



「知りませんよ!とにかく私帰ります。」

まったくーーー!!!!


さっきまであんなにドキドキしてたのに!


こんなとこ卒業するまで絶対来るか!あほ!!!…っと心の中で啖呵を切った。