お母さんは学校の体育館の前の駐車場に、車を止めた。




「じゃあ、行って来るね」


「気分が悪くなったら、保健室にすぐ行くのよ? 先生には連絡してもらう様に伝えてるから」


「うん。ありがとう」




バンッ、ドアを閉めて学校に向かった。
靴を履き替えて、2階に上がる。

10分休憩だから廊下にはたくさん人が居て、今登校して来た私を珍しげにじろじろ見ている。
注目されるの嫌いだから、恥ずかしくて人の顔を見ない様に歩いた。




「さつきー!!」




俯いていた顔を上げると、教室の前で大きく手を振っている人が居た。


瑞希だ!




「おはよう、さつき! 体調はどう?」


「おはようっ。もう大丈夫だよ」


「良かった~! ねぇ、次数学だよ。嫌な時に来たね」


「あはは、そうだね~」