イトはまだ寝てるだろうな。
イトを運んだ後、俺は体育館に向かった。
そして入学式は始まった。
ここまでは、良かったんだ。
「はぁ………。」
思わずため息。
「………えー、それで君達に求める…高校生の………は、……先程も言った………」
20分前から始まった校長の話がまだ終わらないのだ。
話が長くねーか?そろそろもう話すこともねーだろ?
周りのやつもイライラしてるようで、こそこそと話す声や舌打ちが聞こえてきた。
…………。
誰か校長止めてくんねーかな。
「校長先生、話が長いです。もう十分なので、降りてきて下さい。」
突然、良く通る声が体育館中に響いた。