「イトっ。大丈夫か?
大丈夫じゃねーよな。
保健室行くぞ!」
腕に掴まってる手が熱い。
熱がどんどん上がってきている。
「んっ、天。ごめんね。
私がわがまま言ったから…。
入学式は出らずに保健室に行くよ。」
…………………。
熱ある時だけ素直だな、イトは。
いつも素直でいればもうちょっとだけ可愛いのにな。
こういう時、俺は無性にイトを守りたくなるんだ。
なんていうのは多分きっと気のせいだろう。
じゃなくて。
早くこいつを、保健室に連れて行かねーと!
「も、無理……。」
「えっ」
と、その瞬間、急にイトがぐらりと傾いていった。
「イトッッ!!」
ドサッッッッ!
はぁ〜。
危機一髪。受け止められて良かった。
俺の反射神経?の良さに感謝だな。
とりあえず、イトをお姫様抱っこする。
にしても、イト軽いな…。
ちゃんと食べてんの?肉ついてねーし。
腕も足も細せー。
ん?待て。
何でこれでゴリラみたいに強いんだよっ。