「大丈夫だよ、天。熱って言ってもそんなに高くないし、私どうしても今日入学式に行きたいのーーー!」
嘘半分。混ぜてみる。
「……………。」
えっ何でそこで無言??
ちょっと細めた目で天が少し睨んでくる。
まあ、そんな顔もかっこいいんだけど。
「そんなに高くないって…、はぁ。」
えっ何。天には何もかもお見通し?
そんなはずない!
大丈夫よ、私。
さすがの天でも体温計とか持ち歩いてないもの。
「イト。こっち向け。」
え?
ゴツッッッ
目の前に天の顔。
どうなってるの。これ。
これあれじゃん、おでこではかってくる系の人?えっ天そういう人?
もう私、軽くパニック。
ていうか目…。合わせられない…。
「熱っ!!!イト!?これはアウトだ、でも帰れって言っても、お前聞かないんだろ?」
私はこくんっと頷く。
行くって決めたからには私行きたい。
私、結構頑固なの。
意思固まってる私を見て天は諦めたみたい。
「はーーー、もう。わかったよ。
でも、無茶したら怒るからな。」
「やった!!!」
これで入学式は天を女子から守れる!
…はずだよね?