よくあるパターン

「うーーん。なんで私なんだぁ？あの大学には他にもっと若くて可愛い子たくさんいるのにどうして…」

そこまで考えた所でふと思う事があり、遥香はぴたりと止まった。

「まぁ…あれか。よくあるパターンなのかな…」

大学3年生。何となく年上の女性に憧れを抱いたとしてもおかしくはない。別に遥香でなくても良いのだろうが、たまたま行きつけの食堂で店員をしていたのが遥香だった。それだけの事だろう。
いわゆる、若気の至りだと考えれば説明がつく。

「水野君には申し訳ないけど、連絡はできないなぁ。さすがに若い大学生の貴重な青春を私が消費するわけにはいかん…」

彼が振り絞ったであろう膨大な勇気に心の中で謝罪をして、メモ用紙を引き出しにしまった。