「いらっしゃいませー!お好きなお席にどうぞー!」

昼ごはん時、遥香が働く食堂は忙しさのピークを迎える。学生街のど真ん中にあるため、小さい店だが食べ盛りの大学生たちで賑わっていた。

「トンカツ定食ごはん大盛お待たせしました!あ、はーい。今お伺いますね!」

忙しく店内を走り回って、てきぱきと仕事をする。大学時代も含めてここで働いて早6年。ここでの時間はあっという間に過ぎる。

「ありがとうございました!またお越しくださーい!」

しばらくしてランチタイムが終わり、だいぶ落ち着きを取り戻した店内で、ふぅ。と小さく息をついた。

(ピークは終わったかな。そろそろ片付けをしよう)

そう思った時、3人組の男子大学生が会計をしにレジに来た。