大地さんと夕食を食べながら、大地さんに切り出した。
「大地さん。聞いてほしいことがあるんです。」
「うん?何?」大地はやっぱり悩みか?とか思いながら聞いた。
「私、就職を考えています。教育実習に行ってから、主婦になるってイメージがつかめなくなって、やっぱり少しでも働きたい、誰かの役に立ちたいんです。高校の先生からフリースクールで教員募集があるって聞いて、大学のゼミの先生に相談したら、ゼミの先生が毎月ケース会議で関わっているスクールだったこともあって、両方から紹介してもらえるってことになって。。。通信制の高校もやってるところだから、高校生は通信の生徒たち、中学生と小学生は不登校とかの子どもが多いってところ。私は通信の高校の教員で週2日の勤務からっていうので応募したいと思っています。生徒たちの登校日に合わせて勤務するらしいです。生徒たちは登校日にはくるけど、それ以外はレポートを提出してくるから、それの添削をしたりするらしいんです。」
「ふうん。週に2日からの通信制高校の先生になりたいってこと?」
「はい。非常勤講師って扱いになるそうです。」
「英語の先生になるのが夢だったんだよね。受けてみたらいいんじゃない?」
「いいの?」
「ゆうりちゃんが、やりたいことを我慢することはないと思う。たぶん、不登校の子どもたちが多いだろうから大変な仕事になるんだろうけど、やってみるのは悪いことじゃない。」
「ありがとう。教師になるのは、あきらめてたんです。でも、そういうのもあるって聞いてからは、あきらめられない気持ちが大きくなってしまって。。。」
「それをずっと悩んでたんでしょ?和馬からもゆうりちゃんは悩みがあって熱が出てるって言われて、心配してた。注射も嫌がらないし、何を我慢させているんだろうって思ってた」
「心配かけて、ごめんなさい」
「責めてるんじゃないよ。僕は医者という仕事にやりがいもあって、自分の意思で働いている。だけど、ゆうりちゃんは、学生の間はいいとしても、そのあと、本当に僕との結婚だけで主婦にしてしまうっていうのは、ゆうりちゃんのやりがいとか希望とかを無視した話しだよねって思ったよ。やりたいことに挑戦したらいいと思う。体調面は心配しなくても大丈夫。ゆうりちゃんはすっかり優等生の患者さんになって、いうことはよく聞くし、治療も素直に受けれるしね(笑)」