『さっきは薮蛇だった・・・』
解放されてホッとしたのも束の間、美優からメッセージが入った。
体調不良で早退するとの内容に、またチラリと本田を見てしまった。
『やっぱり、話し合った方が良いよね』
そう思った時、本田が席を離れたので、つい自分も立ち上がっていた。
『休憩かな・・違ってもいいや』
休憩スペースの方に向っていくが、その先には喫煙ルームもあり、本田は喫煙者だったので、どちらに向っているのか判断がつかない。
周りに人が居ない事を確認して、声をかける。
「何の用だ?」
27歳とは思えない落ち着き払った低い声が返ってきた。

