それを見て二人は全てを察したようだ。 「「良かったな」」 同時に言われて驚いたが、直ぐに破顔して「はい!」と答えた。 「まぁ取締役の涙ぐましい努力は内緒にしとくか」 「え?何か言いました?」 鈴木の小さな独り言は、杏奈まで届かなかったようだ。 「さ、今日も1日頑張ろうぜ!」 鈴木の掛け声と共に、今日も仕事が始まる。