「やっと、収まるところに収まったか」

麻生から電話を切った後、息混じりに呟いた。

見た目と中身のギャップに悩む弟に好きな女が出来たと聞いた時は、また傷つくのではと心配になった。

相手の女を調べたら、同じ会社に居た事に驚き、更にそのわたあめのような容姿に驚いた。

「当初は子羊のような女だと思っていたが・・・」

座っていた椅子から立ち上がり、ガラス張りの窓際に近づく。

今日はとても快晴で、周りのビルから遠くの山まで綺麗に見渡せる。

「彼女も見た目と違った中身に苦しんでいたとは。」

こんな出会いはもう無いだろうと思い、面倒ごとの嫌いな自分が色々手を回した。