「えぇ、終始彼女が主導権を握ってるって感じだったわね」

先程の光景を思い出し、楽しそうに話す。

「なる程。・・ありがとう。借りが出来たな」

「あら、借りだなんて思わないで、でも借りだと思ってくれるなら、また誘って下さいね」

悪戯っぽく返す羽奈に、慧も軽口を叩く。

「羽奈の方が忙しいんじゃないのか」

「慧さんの誘いなら何時でも都合をつけるわ」

そんなやり取りをして通話を終了した麻生は、待たせていた自分専用の車に向った。