月曜に出勤してギプスが取れた事を報告すると、「お祝いしないとな」などとニヤニヤしながら鈴木が言った。
「鈴木さんの場合は、ただ単に飲む理由が欲しいだけじゃないですか?」
最近は思ったことを口にする事が多くなり、その分周りとの距離が近づいた気がする。
「う、だって山葉も忙しそうだし、一人で飲むのもなぁ」
「ほら、やっぱり・・」
そんな話をしていたら、始業時間になり、各々仕事を始める。
『大丈夫、集中してたら』
自分に言い聞かせるように心の中で呟いて、仕事に取り掛かる。
集中し始めると時間を忘れられて、あっと言う間に時間が過ぎる。
自宅に戻ったら、今度は神取の道場に向かい、時間一杯まで稽古をする日々。
途中、凱から週末に会えないかと連絡が来たが、忙しいからと断って突っ走る。

