「無い・・けど」
「1度ちゃんと聞いてごらん。僕は神宮寺君が男性の事を好きだとは思わないよ」
諭すように話す父は、自分よりも凱の事を知っているようで癪に障った。
「ちょっと見ただけじゃ分からないよ。さっきは猫被ってたし」
「ふふ。猫被ってようが、被って無かろうが、分かる事も有るんだよ
騙されたと思って、聞いてみてごらん。憶測で人を判断してはいけないよ」
あまりの自信に、段々と心が揺らいできて、最後には確かめなければと思うようになっていた。
「わかった。今度聞いてみる」
渋々と言った感じで返事をする杏奈を、苦笑交じりで眺める二人。

