深々と頭を下げる凱を、気遣いながら蔵人が言葉をかけると、やっと凱が頭を上げた。
「はい。先日兄から顔見せのパーティに同伴で出席するように言われました。
杏奈と親しくさせて貰っている事を兄も知っていて、社交の場に出たがらない私に出席させる為に、杏奈と同伴でなら出席するのではと思ってとの事でした。」
凱の説明に二人とも静に耳を傾けている。
「それで、同伴して貰ったのですが、こちらで用意した衣装のヒールが予想以上に高く、足を挫かれてしまいました。こちらの所為で怪我をさせてしまい、一人暮らしでは日常生活も大変だと思い、無理を承知で杏奈に同居を願い出ました。」
杏奈も何か話したいが、今は口を開く時ではないと思い、黙って説明を聞く。
「勿論杏奈には断られました。それでも強引に同居させたのは私です。
ですが、やましい事は一切ありません」
その後、暫く沈黙が続き、息苦しさを感じた頃蔵人が口を開いた。

