寝起きで気だるそうに声をかけて来た凱に、ソファーから飛び上がる程驚いた。
「ん?誰か居るのかい?」
「え・・と、TVかなぁ・・・」
「TV・・付いてないよ」
状況が把握できておらず、尚且つ頭が働いていない凱は、素直にTVが付いていない事を口にした。
『万事休す・・・』
自分が父に報告していなかった事が今回の敗因なのだが、このままだと凱を激しく巻き込む事になる。
「男性の部屋に居るのかい?」
また、声のトーンが低くなった父に観念して凱の事を話し出した。
それを傍で聞いていた凱の目もスッキリと覚めた事は言うまでもない。
「ごめんね。杏奈。僕が・・・」
「違うのよ凱、私が父に同居する事を伝えてなかったから、父が怒っているの」
「とにかく、お父さんに説明しないと、準備してくるからちょっと待ってて」
杏奈が何か言う間を与えない、素早い動作で寝室に戻ってしまった。

