2週間の同居最後となった土曜日の朝、杏奈の携帯が朝早くから鳴り出した。
リビングで寛いでいた杏奈は、着信相手に驚いた。
「お父さん・・・」
何かあったのだろうかと慌てて電話に出たが、次の言葉で蒼白になる。
「今何処に居るんだ?」
何時もより少し低めの落ち着いた声が電話の向こうから聞こえて、思わず姿勢を正す。
「・・・・友達の所?」
こんな事を聞いてくると言う事は、多分父は自分の部屋に居る。そう確信してこの状況が非常に不味い事に気付く。
「そうか、今仕お土産を持って杏奈の家の前に居るんだけど、戻ってこられるかな」
機嫌よさそうな声に変わってはいるのが逆に怖いと思った。
「う、ん。ちょっと時間はかかると・・思うけど」
タクシーで帰ったら何分くらいで付くかな・・・と頭の中で計算してみる。
「杏奈?誰と話してるの?」

