羊と虎


恨めしそうにカップラーメンの容器を眺めていると、目の前に買い物袋が現れた。

「?!・・・美優ちゃん!」

振返って見ると美優が笑っていた。

「怪我したって言ってたから、パンの差し入れ」

「ありがとう!お昼何にも用意して無くて、非常食だけだったんだ」

「良かった。それで、その怪我ってもしかしなくても?」

「う、まぁね」

「またゆっくり話聞かせてね!」

聞きたくてウズウズしているが、始業時間が迫っているので、残念そうな顔をして慌てて戻っていく。

『あはは、こりゃ今日にでも話聞かせてって言われそう』

苦笑しながら、差し入れてくれたパンを頬張っていると、スマホが光った。

『美優ちゃん?!・・・早いな』

スマホの画面から着信を見ると、凱からだった。