「わかった・・・凱の・・家に行く」 心の中がグチャグチャになったまま、何も考えられなくなり、そう告げた。 色んな感情が渦巻き制御不能になってしまった所為で、緊張の糸が切れて意識が遠のく。 考える事を止めてしまったのだ。 ぐったりとして凱に身体を預けるように倒れこむ杏奈に一瞬慌てたが、穏やかな寝息を聞いて緊張を緩めた。 「ごめん・・」 誰にも聞こえない程小さな声で、凱が呟いた。