羊と虎


会社終わりに、前に一緒に来たコーヒーの種類の多いカフェに来た。

『前回は美優ちゃんの話だったのになぁ』

美優から少し遅れるとのメッセージが来ていたので、勉強中のプログラミング言語の本を読んで待っていた。

テーブルに影が見えたので、顔を上げると、見た事の無い男性が立っていた。

「お一人ですか?」

仕事帰りらしく、スーツをキッチリと着込んでいるが、顔はちょっとチャラそうだ。

「もう直ぐ友達が来るんです」

何時もの猫かぶりでニッコリと微笑みながらそう伝えると、男は頬を染めた。

「と、友達は男の子?女の子?」

動揺しつつも、気になる事を聞き出そうと必死だ。

「?個人的なことなので、お答えするのはちょっと」

「じゃぁ連絡貰えますか」

そう言って、いきなり名刺を取り出した。