「杏奈ちゃんはそのままで十二分に可愛いよ」
「違うのよ、ちょっと可愛い系じゃダメな事があって・・・」
「もしかして、この前の人の事?!」
急に目の色が変って、食いついて来た。
『ヤバイ・・相談するんじゃなかった』
後悔したが、もう無かった事には出来ない。
押し切られる形で夕食を一緒に食べる約束を取り付けられてしまった。
「終業時間まで長いなぁ。あぁ気になって午後からの仕事出来ないよ」
脳内では色々と妄想が暴走しているんだろう美優を放置して、黙々と昼食をとるが、美味しさは半減していた。
課に戻っても、自分の失態に落ち込んでしまい、鈴木に心配された。
気分を変える為にコーヒーを買いに行く。
『あぁ、そう言えば、あれ以来ブラックを買ってるなぁ』
取り出し口から出てきたお気に入りのブラックコーヒーを手にしながら、鈴木とのやり取りを思い出した。
ブラックを買えるのは助かるが、やはり他の課も利用するので、買ったコーヒーは目立たないように持って歩く。
『まぁ進歩したよね』
コーヒーを飲む頃には集中して仕事をこなせるようになっていた。

