『調子は悪くないって事は、調子じゃない物は悪いってことか・・・
じゃぁ、機嫌?』
コップの中の麦茶を眺めながら思考を巡らす。
『やっぱり秘書さんの事かな・・・話題を変えないと』
チラリと凱を盗み見すると、美しい所作で食事をしているが、表情は読めない。
「そう言えば、昨日副社長がうちの課に来てビックリした」
「え!?」
物凄い驚いた顔で杏奈を見ている。
「兄さんに何を言われたの?何かされなかった?!」
立ち上がって、詰め寄るように身を乗り出して聞いてくる姿に、一瞬呆然としたが、慌てて身振りで否定する。
「な、何にもされてないよ。大丈夫だから落ち着いて。」
「ほんとに?」
「うん。付き合ってるのかって言われたから、友達ですって答えたら、帰って行っちゃった」
「それだけ?」
「うん。それだけ」

