羊と虎


名前を呼ばれてふり替えると山葉が立っていたので、何があったのかと立ち上がった。

ツカツカと近づいて来る山葉を不思議に見ていたら、顔を近づけてきた。

「!?え、や、近いです!」

慌てて押し戻そうとすると、片手を取られて引っ張られ、バランスを崩して山葉の方に近づく。

「!?」

「成る程、ここまで近づかないと匂わないんだな」

耳元で山葉の低めの声が聞こえてくる。


「随分中が良いようだな」

「「!?」」

反射的に山葉を突き飛ばして距離を取ろうとしたが、腕を掴まれているので、距離がとれない。

「神宮寺・・・取締役」