羊と虎


「違います!ニヤケてるのは、凱が可愛いから!変じゃないですよ。むしろ可愛くて困る・・・」

「可愛くて困る?」

予想もしなかった返事に、凱の怒りが一気に消え、戸惑いの顔になる。

『あれ?表情良く変るな・・もしかして今までは平静を装ってた?』

「凱って、普段感情を抑えてます?」

先ほどの質問を綺麗に無視されて更に戸惑う凱。

「いや、だって、何時も表情が読めなくて、何考えてるか分からなかったから・・・」

「僕ね、見た目と中身のギャップが酷すぎて、友達が出来なかったんだ。
それで不登校になった時、慧(けい)が・・あ、慧は兄なんだけど、人前では会社のような喋り方や、表情をしたらって提案してくれて・・・
環境を変えた方がやり易いだろうって留学を薦められて、そこで何とか今の外面を作ったんだ」

「凱も大変だったんですね」

そう言って凱の頭を撫でると、凱が驚いたように見上げた。