羊と虎


「そ、そう言えば、喋り方!何か違ってません?」

沈黙を打ち消そうと、慌てて話題を作ってみたが、杏奈の質問に凱の様子が一変した。

「変かな・・・」

自信なさそうに杏奈を見つめる凱の姿に、ドキリとした。

『可愛い!。あぁまた変な事考えてる!でも可愛いんだよ!自分にも母性本能があるなんて!?』

「う、ううん!へ、変じゃないですけど、今までと違うから違和感はありますね・・・」

自分の中で芽生えた可愛いと思う気持ちで、ニヤニヤしてしまいそうになるのを必死で止めながら、勤めて冷静に話そうとした・・・・筈だったが、全然冷静に話せていない自分がいた。

「本当の事言って!可笑しいって思ってるでしょ!顔がニヤけてる!」

急に怒り出した凱を見て、しまったと思った。