羊と虎


その気恥ずかしさを紛らわす為に、凱の熱を測ろうと、額に手を当てる。

「あ、さっきより少し下がったみたいですね」

額に当てた手を外さず、顔を近づけ顔色を眺めながら話すが、凱は固まっている。

「!? あ!すみません!!つい癖で」

慌てて額から手を離し、俯いて謝るが、何も言われないので、ソロリと顔を上げる。

『!?』

熱の所為で顔が赤かったが、今は更に赤くなっている凱を見て、杏奈も何故か体温が上昇した。

『何コレ何?!』

慌てふためいている杏奈を他所に、凱が口を開く。

「癖って、何時も彼氏にしてるの?」

「!?とんでもない!兄達です!」

「お兄さん?」

「あ、はい。前話したと思うんですが、私には兄が二人居て兄にやってました」

「そうなんだ・・」

ちょっとホッとしたような顔を不思議だなと思いながら、杏奈もその顔を見てホッとした。