そっと寝室に戻ると、そこにはペンギンを抱きしめて眠る凱の姿があった。
『何コレ!? 美優ちゃんが言ってたキュン死?萌え死に?!』
身悶えをして大興奮の杏奈は容姿と行動が伴わなっていない。
誰かが今の状況を見たら、ドン引きするだろう。
「?!」
ピタリと動きを止めたので、我に返ったかと思いきや、杏奈は直ぐ自分のカバンからスマホを取り出し、音のしないカメラで写真を撮った。
『美優ちゃんに見せたい!・・・・あ、でもダメだ。誰にも見せたくない』
百面相が一段落着いたようで、ニマニマしたまま椅子に座って、眠っている凱を眺めた。
経口補水液を作りに行く時は苦しそうな顔をしていたが、今は穏やかな顔をしている。
『少し、熱が下がったかな?』
手で体温を測りたいと思ったが、起こすのが可哀想だと思い直して止めておいた。
そして、傍に居てくれと言われたので、スマホを眺めながら凱が目を覚ますのを待った。

