羊と虎


『ソファーは小さすぎるから、やっぱベッドか』

そう言って寝室に入って思い出した。

「ヤバイ。筋トレ器具が・・・」

ダンベルや、ベンチプレスが置いてある。

「仕方ないよね」

掛け布団を剥いで、ベッドのフチに腰掛、荷物を下ろす要領で凱を下ろし、ベッドに正しく寝かせる。

その際に、ジャケットを脱がせ、ベルトを抜いて少しでも楽になるようにしてみた。

「えーと、あ、アイスノンとヒエピタ!」

バタバタと部屋を出て、必要なものを用意してきた。

「あ、スポドリ切らしてた・・・何か食べ物?」

ヒエピタを額に貼られ、アイスノンをしている凱を眺めながら、次にいる物を考えて、家に無いものばかりだと気付く。

「ちょっと買い物に行ってきますね」

眠っているとは思ったが、一応声をかけてから出かけようとしたら、何かに引張られる。