「アタシ、今回の旅行でキメるからね!」

沙紀といつものマックでお茶をしていると、突然沙紀が宣言した。

「キメるって?」

アイスティをすすりながら私は聞いた。

「そりゃあ。タケルと・・・その・・・するってこと」

沙紀は顔を真っ赤にしている。

「希美はもうジュンとしてるって言ってたもん。だからアタシだって!」

「そ、そう・・・」

激しく動揺するのを必死で隠す。タケルが私のこと覚えててくれただけで幸せだって思ったはずなのに、2人を祝福するって決めたのになんでこんなに胸が苦しくなるんだろう。

沙紀に迫られてオチない男はいないに決まってる。その相手がタケルで・・・ダメだ。考えたくない。

風邪ひいたことにして行くのやめようか・・・

「だからさ!湊応援して!アタシ怖いけどがんばるから!ねっ?」

沙紀の可愛い決意に泣きたくなるくらい胸を締め付けられる。

「うん。わかった。沙紀がんばんなよ」

無理に笑顔を作り私は沙紀の肩をパンパンと叩いた。