「死んだら、何も出来ねぇんだよ。分かるだろ?生きてたら、なんだって出来んだよ。」
「俺には…もう、何も無いんだよ…。会社は倒産し、妻にも逃げられ…、芽衣奈を養っていく力も…勇気も…」
ポツリ、ポツリと話すパパに胸が締め付けられる。
「勝手に決めつけてんじゃねぇ。お前がいなくなった後の娘はどうなんだ?」
「……。」
「娘の事考えてるっつーんなら、必死に生きろよ。娘の前で死ぬなんて残酷なことしようとしてんじゃねぇ!どんな傷を負うか、どんな風に娘が悔やむか、てめぇにはわかんのか?」
パパとの距離がどんどん近づき、ついに触れられる距離にまで行ってしまった男。
そこでやっとハッとし、パパに一生懸命言葉を投げかける。
「パパ…!パパ、私を1人にするの?…っ、私、パパと頑張れるから…!お金がなくても、ママがいなくても…大丈夫だから!!」
「芽衣奈…。」
パパが私の名前を呟いた瞬間、さっきの男が勢いよくパパを引っ張った。
