「もう!藤くんのバカっ!」

「ははっ。ごめんごめん」



次の日も、私たちは普通に学校の日。


と言っても、カレンダー的には土曜日だから授業はなく、生徒会としての集まりだけなんだけど。



「あと10分だよ藤くん!走れーっ!」


集合時間が10時でいつもより遅いのをいいことに、朝から藤くんがちょっかいをかけてきた。


だから、気づけばこんなギリギリの時間になってしまって、今に至る。



「ったく。そんな急がなくても」

「いやいや藤くん会長!これ普通に歩いたら完全に遅刻ですよ!?」

「おいこら、その呼び方やめろよ。蜜だって喜んでただろーが」

「なっ……!!それ言わないで!」


クスッと意地悪に笑う藤くんに、急に体温が上昇する。


よ、喜んでなんか、ない……もん。


そうだよ。先にちょっかいかけてきた藤くんが悪い……!



朝の出来事を思い出してしまって、私は1人で熱を冷まそうと必死。その横で楽しそうに見つめてくる藤くんには、キッと睨んでおいた。