*** 「さて、満腹になったことだし、そろそろ帰るか」 「そうだね」 ハンバーグをお腹いっぱい食べ終わった頃には、もう完全に夜だった。 いつもなら、家でお風呂に入ってる時間。 これから家に帰ってお風呂に入ったら、寝るときにはだいぶ遅くなっちゃうんだろうな。 そんなことを想像するけれど、今日に限ってはそんな心配など一切していない。 「帰るぞ、蜜」 「うん!」 藤くんの手に引かれて辿り着いたのは、帰りに乗る駅。……ではなくて、アパート。 何度も来たことがある、藤くんのおうちだ。