「よし。じゃあ行くか」
「うんっ!」
日が落ちて暗くなり始めて、ようやく私たちは生徒会室を出た。
当然のことながら、廊下に出ると一切藤くんは私に触れてこない。
でも、いい。それでもいいんだ。
今日は、藤くんと初の制服放課後デートだから。
「今日ずっと嬉しそうだよな」
「だってデートだもん。しかも記念日デート」
「はいはい。そうだな」
「藤くんは嬉しくないの?」
「嬉しいに決まってんだろ」
ぶっきらぼうな言い方ではあるけど、その笑顔は私と同じくらい嬉しそうに見える。
あぁ、好き。大好き、藤くん。
1年経った今日も、私は藤くんへの愛を積もらせるんだ。



