それも、ただのデートじゃない。



普段なら放課後デートは他の生徒にバレるからと却下する藤くんも、今日ばかりは許してくれた。



なんて言ったって、今日は、私たちが付き合って1年の日だから。


藤くんの彼女になれて1年経ったこの日だけは、私のわがままを藤くんが聞いてくれたんだ。




「……もういいです。なんでかは知りませんけど、今日はその顔治らなさそうですね」

「えへへ。ごめんね?」

「やめてください。うざいです」



グサっとくるはずの夏目くんの言葉も、今の私にはどうってことない。



冷ややかに見つめてくる夏目くんをかわしながら、私は今日の活動が早く終わるように全力で仕事をした。