「うぅ〜……」 うめいても、気合を入れても、届かないものは届かなくて。 ……やばい、足つりそう。 目一杯背伸びをし続けたからか、ふくらはぎが少し怪しくなってきたと思った、そのときだった。 「何してんすか」 「……へ?」 後ろから声が聞こえて、そのままヒョイッと本を取り上げられる。 「な、夏目くん……!?」 「うるさいですよ。大声出さないでください」 驚いてパッと振り返ると、そこには見知りすぎた金髪男子、夏目くんの姿が。