「夏目くん手強すぎる……」 かく言う私も、夏目くんの華麗なスルーぶりに心が折れそうだったり。 「蜜、今日職員室に提出する書類は?」 「用意してもう出しました」 「よし。まだ仕事をする余裕はあるな」 「はい?」 けど藤くんだけは、まだ可能性を信じてるみたいで。 「俺と皆川を安心して引退させてくれよな」 そう言って私の頭を撫でながら「お前ならできるよ」だなんて勇気付けてくるものだから、単純な私はまた明日も夏目くんを勧誘しに行こうと決意するのだった。