5月上旬。



「こ…っ、児玉沙耶 (コダマサヤ) です…!」


私たちは、今日から新しいスタートを切る。



「あははっ、顔真っ赤だよ?」

「かーわい〜!」


クスクスと笑う野内くんと美海先輩の前には、三つ編みでメガネをかけた1人の女の子。


今日から私たち生徒会の仲間になる1年生だ。



「この子は書記候補だ。てことで皆本、教えてやってくれ」

「はいはーい。よろしくね、沙耶ちゃん。あたし3年の皆本美海」

「よっ、よろしくお願いします!!」


美海先輩に深々とお辞儀をする彼女は、どこか頼りなさげではあるけれどしっかりしていそう。



「私は2年の真崎蜜ですっ。よろしくね、沙耶ちゃん」

「同じく2年の野内翔太郎でーす!よろしくな」

「はい…っ!よろしくお願いしますっ」


それぞれ軽く挨拶も済ませて、私たちはいつものように仕事に取り掛かろうと自分の席へ戻る。