「お楽しみは、また今度ってことで」 「っ!」 そして私に向かってニッと笑うと、さっさと机を片付けて先に倉庫を出て行ってしまう。 「……もう。藤くんのバカ」 一方、悔しくもされるがままだった私は、そんな悪態しか出てこなかった。 ズルい。完全に楽しまれている。 本当、一度でいいから藤くんの思考回路を見てみたいよ。 「……あつ」 自分の火照った頬に呆れながら、私も後を追うように倉庫を出た。