「……で?蜜」 私も荷物をまとめたところで、机に頬杖をついた藤くんがじとっと私を見つめた。 何を言われるかが想像できてしまったけれど、「なに?」とそこは誤魔化す。 「こら、誤魔化すな」 けどそんなものはバレバレで、立ち上がった藤くんは私の隣まで歩み寄ってきた。 さっきの "私情" の話だ。絶対。 フッと笑う藤くんを見て、その想像が確信に変わる。 中学の時からの付き合いの私たちには、藤くんが決めた約束が3つあった。 1つは、さっきもあった "仕事は迅速にこなすこと"。