聞きたくなかった彼の言葉。
聞いてしまった彼の本音
今日、失恋します。
君と一緒にいれるだけで幸せだった。

私と彼の出会いは、居酒屋で知り合った。ごく普通のオシャレでもない飲み屋。
個室になってはいるけど、カーテンで仕切られた隣との距離が近い席。ひと目で私は、かっこいい人と・・彼のことを思った。
まさか、その時の私は、彼から声をかけてくれるとは思いもせず・・
友達と何気ない会話を楽しみ私は、休日をいつものように楽しく過ごしていた。
酔いもいい感じに回ってきて、もうそろそろお店を出ようと思った時、
隣の席にいた彼から声をかけられた。
「もう帰るの?これから俺達ともう一軒行かない?」
私は、まさかあの素敵な男性から声をかけられるとは思ってもいなかったから・・
自分でもわからないくらい嬉しかった。
それを見ていた友達は、私のほうを見てニッこと頬笑み、行こう。と私を誘ってくれた。
なんでも知っている私の友達はきっと何かを察知してくれたのだろう。
初対面で誰かもわからない人と、一緒にもう一軒行くことになるとは・・・
この時まだ私達がこれから、付き合いをするとは私自身も誰もが予想すらしてない。
これが、私達の最初の始まり・・。
次に行くお店を決めてあったみたいで、私達は彼に任せ
その場所へと向かった。行く道のりは、緊張と同時に、さっきまで酔いがいい感じに回ってきたはずなのに・・酔いも一気に冷め彼に見つめられるとうまく話せなかった。肌寒くなった季節で、彼は私が寒そうにしていると自分が着ていた上着を私に貸してくれた。
「風邪引いちゃうから、大丈夫だよ。」
「いいから。羽織ってろ。」男性にそんな扱いされた事がない私は、少女漫画で見るような王子様に見えた。ますます私は会ったばっかりなのに、彼の事をもっともっと知りたくなった。そうこうしながら、飲み屋さんに着いた。そこは、さっきと違うオシャレなバーだった。バーに行くことも初めてだった私は、馴染めずにいた。
落ち着いた雰囲気。大人の世界・・ガヤガヤしたうるさい飲み屋とは全く違い
普段、私が聴かないオシャレな音楽も静かに流れていた。
そんな私の緊張をほどくように彼は、積極的に話かけてくれた。
きっとこんなかっこいい人なら彼女がいてもおかしくない。遊んでいるに違いない。
私はずっとそんな事を一人考えていた。