終了式、全員が揃った教室では、ストーブで暖められ浮ついた空気が漂う。


先生が来ると席に着き、先生の話を聞くとあっという間に教室から出ていた。
早く並び終えたクラスから早く帰れるので、ストーブがあっても冷えるこの時期は激しく奪い合う……。


のは、ある程度従う人だけで、遅刻常習犯は早めに行ってるつもりだけど遅れるし、申し訳なさそうにしたり、足を早めるそぶりすら見せず、スマホ片手にぶらぶらと並ぶ。


男女混合ということで列は広がり、並ぶのにも時間がかかる。
名簿順で一番前である私は、すぐに座って位置を示したかったけど……。


両隣のクラスがいないと、ここでいいのかと迷う。
椅子もない地べたに座らされるので、明確な位置がない。下手にここだと即決すると、あとでもっと左に寄ってとか言われて面倒だ。


目で測り、大体ここかと思う位置に立つ。一番前はいつも面倒だ。先頭に立って何かする性格じゃないのに、五十音並べると一番最初という理由でやらなければいけない。


自由に並ぶとなると一番前は押し付け合いになるから、あらかじめ決められていた方が早く済むんだけど。それに女子は奇数になるから、自由に並んで余るくらいならこの程度の面倒は我慢する。


私の後ろに続き、遅刻常習犯のところだけがぽこぽこ空いていた。
やっと全員並ぶと委員長が先生に報告しに行く。八クラス中六番くらいかな。


スニーカーと変わらない形の体育館シューズは、足首を囲われている感じがして苦手だった。足首のあたりはすっきりしているのが好きなんだ。
足の甲に当たる部分をいじっていると、マイクを動かしたのか耳障りなくぐもった音がした。


先生が歩き回って、まだ声を出す生徒を注意する。
静かになった生徒たちを立たせ、誰も歌わない校歌のCDを流した。